身近な相対性理論 | ベーネテック 生産性向上を実現するパートナー ベーネテック

中堅・中小から大企業の高収益体質の実現に向けて事業開拓、事業承継、生産性向上、人財育成など経営者のパートナーとして全力支援

ベーネテック

生産性向上を実現する経営パートナー

ベーネテックFacebookページ

TEL:03-6403-3236TEL:03-6403-3236

無料相談はこちら

※無料相談は2時間・一社初回のみ

イノベーション論考【第4回】身近な相対性理論

毎日お世話になっている「相対性理論」

一般的にはとっつきにくいと思われている相対性理論、でも多くの人はほぼ毎日この恩恵にあずかっていることを知っているだろうか? 確かに

  • 移動すると時間が遅れ、空間が縮む
  • 重力が大きくなると時間は遅れる
  • ニュートンが発見した万有引力の正体は実は時空のゆがみだった。光すらその影響を受ける(つまり曲がる)

等は我々の日常生活の中では体験をしないだけに理解に苦しむ。
大学にも残れず特許局の役人をしていたアインシュタインの偉大なる功績である「相対性理論」。 その最初の原点といってもいいのが「光速度不変の原理」ではないだろうか。 つまり「光の速度はどのように動いているものから見てもその速度は一定でありしかもその速度を超えることはない」というもの。それ以降の理論や原理は全てここが出発点になっているように見える。 これとピタゴラスの定義を組み合わせると・・・途中をすっとばすと・・・時空は相対的であるという「特殊相対性理論」が生み出され、その後10年もかかってやっとたどり着いたのが「等価原理」、つまり「加速度と重力は同じものでありその実態は時空のゆがみだ」という「一般相対性理論」を導き出したとうわけだ。

おっと、アインシュタインとなるとどうも話が長くなっていけませんね。 そう、この話のタイトルは「身近に感じる相対性理論」でした。
前回にも少しお話ししましたが、我々が毎日のように使用しているスマホやカーナビのGPS機能にはこの相対性理論が応用されているんですね。

準天頂衛星システム

現在我々が使用しているGPS機能はもともと米国の軍事衛星(全30基の衛星)からそのサービスを使用させてもらっています。 本来の誤差は数cmから数十cmといわれていますが、この精度は米国軍事利用のみで、商用利用には10m程度の精度しか保証されないデータしか利用できないようになっている。 つまりどんなに頑張っても10m以上の誤差があるのだ。 実際にカーナビなどでよく経験するのが高速道路から降りて側道に入った時とか首都高速道路から降りて真下の一般道を走っていてもそれを認識しないことがありますよね。 あれは10mの精度を補正するため操舵輪の角度や速度、地図情報を駆使しているのですが、それでもやはり限界があるということだ。準天頂生成システム

そこで政府(JAXA)はGPSの精度を高めたり正確な時刻や諸情報を配信するために日本独自の「準天頂衛星システム」を計画中で、既に2010年には初号機「みちびき」が打ち上げられている。

常に一機が日本のほぼ真上から測位する為回転している知友から見ると8の字を描く。

8の字軌道

特徴としては高いビルが多い都市部や山間部でも確実に情報を届けるためまさに「準天頂」、つまり最低1機は日本のほぼ真上で測位するように計画された軌道が8の字を描いている。 これにより別名「8の字衛星」ともいわれているが、その軌道に隣接した国々、オースラリア、東南アジアや韓国などにもサービスを提供する計画らしい。

そして2017年までに後3機打ち上げることになっており2018年のサービス公開までに合計4機の衛星が測位する(その後も予備・点検ように何機か打ち上げ予定あり)。 これにより 10mの精度から数センチの精度になるため、様々な「精度のイノベーション」が予想される。 例えば卑近な例だがナビゲーションシステム等は東京ドームの席番E-32-11の座席までエスコードしてくれる、なんてことも可能になる。

そして2018年のサービス開始というと政府の描く「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の「自動走行システム(自動運転)」のロードマップでも明らかなように「準自動運転システム」のレベル2からレベル3への実験が始まる時期だ。 この時期に合わせているのではと思うのは私だけではないだろう。 いずれにしてもこのような技術の連携はイノベーションに大きく貢献するので大歓迎だ。
ところで通常位置を測位するためには三角測量を使用するので最低3機でよいではないかと思われる方もいるだろうが、このあたりから「相対性理論」が関係してくるわけだ。
主に関係するのは以下の2つだ。

  • 重力が大きくなると時間は遅くなる
  • 速度が速くなると時間は遅れる
政府SIPjpg

政府SIPの自動走行システムロードマップ

勿論これらの衛星には非常に高精度なルビジウム原子時計が搭載されているが(1)非常に速い速度(時速 約14,000km)で、(2)重力の小さい宇宙空間(高度 約3万~4万km)を移動しているため、結局上の2つの理論の影響を受け内蔵された時計に狂いが生じてしまうのだ。 もし相対性理論を考慮しないとすると、GPS衛星に搭載された内蔵時計は1日あたり30マイクロ秒(0.00003秒)ほど早く進んでしまうらしい。 そこから生まれる誤差を単純計算すると約10km、つまり補正なしでは使い物ならないというわけだ。

私たちが2018年以降に起こるであろうGPSの「精度のイノベーション」の中で、ますます相対性理論にお世話になるというわけだ。

 

« »

[fbcomments]