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ドローンイノベーション ③

日本のドローン事情

日本はドローンのコンシューマ市場ではまるっきり存在感がないように見える。
なぜこのような結果になったのかは不明だが、今や市販部品で誰でも参入できるコンシューマー市場(B2C)よりも、精度や耐久性をはじめニーズに特化した様々な技術開発が必要な産業用市場(B2B)の方が将来有望だという意見が多いのもうなずける。 日本のドローン事情を考えるにあたり先ずは日本政府の考え方を確認しておこう。

戦略的イノベーション創造プログラム

戦略的イノベーション創造プログラムSIP(内閣府)日本のイノベーションの方向性を探るために先ず確認しておく必要があるのは内閣府が推進している「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」(*1)だ。

ここには日本政府の総合科学技術・イノベーション会議などが肝いりで進めている国家プロジェクトが掲載されている。

現在SIPには合計11個の課題がある(右図参照)。
ここに載っているということは政府が責任をもって後押ししてくれる、必要な投資(予算確保)もしてくれる、等の意味で研究、開発全般にわたって国からの支援が受けられる可能性があるということだ。

そしてこのプログラムの中でドローンに期待されている分野が「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」だ。

高度成長期につくられた橋・道路・鉄道など、築後50年を経過した古い構造物の予防保全と維持管理を低コストで実現するという取り組みの一環として期待されているようだ。

CEATEC JAPAN 2015

昨年幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2015」の内閣府のブースでは早速そのような取り組みが紹介されている。

芝浦工業大学の事例

芝浦工業大学が開発中の静電吸着装置

芝浦工業大学が開発中の静電吸着装置

ここで開発されている橋梁点検用の半自律マルチコプターの大きな特徴は、柔軟な静電吸着装置を搭載していること。マルチコプターを操縦しながら、橋などの構造物の壁面に近づき、壁面に吸着して、カメラで近接撮影が行えるそうだ。

右図は静電吸着装置のテストをやっているところだ。通電させると、アクリルなど、どんな素材でも吸着できるらしい。

芝浦工業大学の長谷川忠大教授によれば、「乾電池の電圧を10,000Vまで昇圧して静電気を発生させ、約1kgの吸着力が得られる。装置自体は50×70mm、重さ100gと小型・軽量なので、マルチコプターに搭載しても影響がない」

 

東北大学の事例

東北大学回転球殻を持つマルチコプタ

壁面に沿いながらマルチコプターが上昇しているところ(デモ映像)

インフラ点検用の「回転球殻を持つマルチコプタ」なるものを開発している。 特徴はカーボンパイプ製の球殻でクアッドローター機の全周を保護し、さらにその球殻がジンバル機構によって機体と独立して回転することだ。
マルチコプター自身をジンバル機構の対象にするという発想の転換だ。

現在東北大学は、リコー・千代田コンサルタント・一般財団法人航空宇宙技術振興財団(JAST)と共同で、このようなドローンを用いて橋梁点検を行う研究を進めているらしい。

最終的にはドローンで撮影した映像から橋の展開図を作成し、傷の種類と位置を検査員が判断できるシステムの開発を目指しているという(RBB Today(*2)より抜粋)

 

う~ん、なかなか日本らしくなってきましたね。
次回はドローンビジネスの健全な発展のために制定した改正航空法の話に触れておく。
(次回に続く)

 

(*1)総合科学技術・イノベーション会議が自らの司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野の枠を超えたマネジメントに主導的な役割を果たすことを通じて、科学技術イノベーションを実現するために新たに創設するプログラムです。(内閣府のホームページより抜粋)
(*2)http://www.rbbtoday.com/article/2015/10/07/135864.html

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