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オープンソースを使おう(2) 著作権とは

著作権とは

序章篇でも紹介したようにオープンソースソフトウエア(以下OSS)の法的な根拠は特許権、商標権などの知的財産権だが、その根幹にあるのがが著作権だろう。

OSSを論ずる前に、「急がば回れ」で数回に分けてまずは著作権についておさらいをしておこう。

オープンソースと著作権

     図 OSSを知るにはまずは著作権から

 

著作権とは

まずは著作権に関する日本の行政がどのような役割分担をしているのか?を見ておこう。

ご存知の通り、日本で著作権の保護を所掌しているのは文部科学省の外局、文化庁だが、知的財産件には産業財産権をはじめ様々な権利がある。 それぞれを権利の管轄(所掌)は下記の図のように各省庁にまたがっている。 これらを全体戦略としてまとめているのが内閣に設置された知的財産戦略本部だ(後に紹介する予定)。

知的財産権に関する日本の行政はこのような体制となっていることをまずは頭の片隅にしまっておこう。

主幹行政庁

        図 日本の各知財権の主幹行政庁

日本の著作権法について

日本の著作権法の「目的」は第一条に記載されている。
(ほとんどの国内法は最初が総則で、第一条が「目的」、第二条が「定義」となっているのを覚えておくと便利かも)

で、日本の著作権法の目的は、

「この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする」

となっている。 そう、著作権というとちょっと前に「違法なコンテンツのダウンロードをすると刑事罰だ!」等、何かと我々の権利が制限されるマイナス面(被害者意識?)がクローズアップされているが、その「目的」はあくまで「文化の発展に寄与すること」ということになっている。

この法律は、2016年8月時点で124条から構成されており本文の文字数は約73000文字だ。 単純な比較はもちろん意味がないがボリューム感を直感的に把握するためにあえて紹介すると条文の文字数としては日本国憲法の約7倍。

保護する対象が、文学、美術、映画、映像、写真からプログラムまで性質の異なるものをカバーする必要があること、そして憲法とは異なり何度も改正を繰り返してきたことなどの理由からちょっと(というかかなり?)読みにくい。
例えばプログラムに関連する条文を探すのは一苦労する。

法律の構成は以下の通りである。

・総則(1条~9条の2)
・著作者の権利(10条~78条の2)
・出版権(79条~88条)
・著作隣接権(89条~104条)
・私的録音録画補償金(104条の2~104条の10)
・紛争処理(105条~111条)
・権利侵害(112条~118条)
・罰則(119条~124条)

ちなみに文化庁のホームページにある知的財産法の部分を以下にコピペしたものを貼り付けている。 内容は立派だが、解像度が荒く、ちょっと手抜きっぽいのが気になりますね。

知的財産権(文化庁)02

         図 知的財産権(文化庁のHPから引用)

 

著作権の歴史

時代は19世紀、英米法の著作権で認めてなかった著作人格権等を重視するフランスを中心に1886年に作成されたのがベルヌ条約で、現在これが著作権の保護を目的とした事実上の国際条約となっている。

日本の著作権法

日本では江戸時代から出版が行われていた関係で1869年(明治2年)には既に「出版条例」を規定、その後、「脚本楽譜条例」や「写真版権条例」なども制定された。

そして1899年(明治32年)にはベルヌ条約に加盟することになり、これまでの諸条例を整理し初めて「著作権法」(「旧著作権法」)という名前の法律が制定された。

日本が比較的早期にベルヌ条約に加盟した背景には当時の帝国主義列強から強要された不平等条約(港の開放、治外法権、関税自主権の不行使等)の解消(所謂バーター取引)があったようだ。

現行の著作権法は、1970年にこの旧著作権法を全面的に改訂して制定されたもので、その後何度も改訂されている。 直近では主に電子書籍に対応した改正法が2015年1月に施行されている。

米国の著作権法

14355377 - rubber stamp marked with copyright

図 米国の著作権と比較してみよう

米国の著作権法は歴史が古く、1790年には制定されている。その後1909年、1971年の改正を経て成立したのが現行の著作権法(1976年法)で、ベルヌ条約との整合性が取れるためには1988年の改正まで待たなければならなかった。

日本と比べるとベルヌ条約の加盟がかなり遅れたが、これはそれ以前から存在していた米国の著作権法がもともと形式主義(*1)を基本としていたということになっている。 それに拍車をかけたのが、当時の帝国主義や大国としてのエゴだったのではないだろうか。

ただ、米国としてもなるべく多くの国に著作権を守ってもらうことが国益にもつながるため、途上国でも導入しやすい「万国著作権法」を推進することになる。

米国の著作権法のもう一つの特徴が1976年の著作権法改正時に盛り込まれたフェア・ユース(直訳すると「公正使用」)、いかにも米国らしい考え方(*2)だが、個人的には日本にも導入すべきではないかと考えている。

以上、少し回り道をしたが、著作権をどう守るかという点に関しては各国の事情などがあったため、ベルヌ条約が名実ともに著作権の国際法として認められるには100年以上の歳月を要した、ということになる。

(続く)

 

(*1)方式主義と無方式主義
方式主義とは米国や南米が採用していた方式で、©マーク等の表記と登録申請しなければ著作権として保護されないというものだ。
ベルヌ条約は無方式主義、すなわち登録等を行わなくても公表した時点で著作権が効力を持つ所謂著作人格権を自然権として認めていた。

(*2)フェアユース
簡単に言うと、著作権者に無断で著作物を使用していてもその文脈の中での使い方がフェアであれば著作権の侵害とは言えない。フェアかどうかは個別事情で判断されるがその判断基準は明確になっている(目的や著作物の性質、使用の程度や影響度など)

 

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