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イノベーション論考【第5回】「iモード」の宿命

iPhone出現の予測

初代iPhone

初代iPhone

イノベーション論考【第一回】でも触れたが2007年初めに米国で発表されたiPhoneが翌年日本で発売される当日、私は並んで購入した一人だ。 この話をすると同僚から「狩野さんはアーリーアダプターですね」と言われたことがそれはちょっと違う。ましてや冒険心豊かな「イノベータ」でもない。

それまで「イノベーションの予測」を20年以上やってきた中で「電話や通信と常時接続可能なコンパクトモバイルPC」の出現は2005年に予測しており、それに近い製品が2007年にアップルら出てきたらしいというものだから、どんなもんか早く確かめたい、触ってみたいと思っただけだ。 しかも「タッチパネルですべてを操作可能」とか「だれでも自由にアプリを投稿できるアップルストアまで用意されている」という完成度の高いもののだったので2008年7月の日本発売までとても長く感じたのものだ。

「iモード」は失敗する

これとは対照的に多くの賞賛の中でその出現を否定した製品もある。それが「iモード」だ。
携帯電話の初代機は1987年(当時の重量は900g)とされているが、その後通信キャリアを中心に加速度的に進化していき、とうとう1999年2月にNTTドコモの”iモード”のサービスが開始された。

皆さんの中にもこの頃のことを覚えている方は多いだろう。少なくとも日本国内では多くのメディアが「iモード」に対する賞賛の声を浴びせていた。 今でも「ガラパゴスなんて言われるのは迷惑だ。 日本が進みすぎていて世界が追い付いてこれなかっただけじゃないか」などという私から見るとまるでトンチンカンなことを言っている方もいらっしゃる。

iモードに関してはWikipediaには以下のような記述がある。
「NTTドコモに所属した松永真理・夏野剛・榎啓一などが、携帯電話を利用したインターネットビジネスモデルとしてアイディアを生み出した」と。
ジャワ確かにこれにより携帯にJAVAやBrewアーキテクチャ等を取り込み、様々なサービス(コンテンツやアプリ等)を提供することにより多くの日本人がその恩恵にあずかったのは間違いない。

ただ残念ながら私はこの機能をほとんど使った記憶がない。 その理由は彼らの言う「インターネット」が本来の物とは似非、実はNTTドコモ社御用達の箱庭の中で作られたものだったからだ。 「いずれ限界が来てマイナーなものになっていくはず」。 ならば、パソコンと異なる文化を持つiモードの操作を覚える時間は無駄だ。

この時の私の考えを以下の2点にまとめた。

①本来土管屋であるべき通信業者とコンテンツ屋を同一の企業体が掌握した場合には通信業者としての効率性は高まる半面、その権益が強くなり過ぎると自由闊達なコンテンツ創りという競争原理が働きにくくなる。
②インターネット、つまりブラウザやメール機能を実現するならば、パソコンと同一の機能を提供しない限り生き残ることはできない。

前者(①)に関してはアップルのスティーブ・ジョブズ氏が生み出したiPnoneではうまくエコシステムを構築している。NTTドコモさんは、俺たちのほうが先にエコシステムを形成したんだ、とおっしゃっている方もいらっしゃるようだがその議論は別の機会に譲ろう。 このあたりは最近話題の「発送電分離」の議論とよく似ている。
そして後者(②)がコンピュータの歴史から検証することができる「鉄則」のひとつだ。 次章でこのあたりを具体例を挙げて解明していく。(次頁に続く)

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