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憲法改正って他人事? ②

日本国憲法とはナニモノだ?

7月の参院選で自民党は憲法改正に向けてどのような打ち出し方をするのだろうか? 安倍晋三首相が議論のたたき台とみているのが2012年に自民党がまとめた憲法改正草案らしい。

9条はともかく、個人的には何となく国粋的な方向に向かっているのが心地よくない。 どちらかというと参議院憲法審査会で語られている内容の方が追加すべき新しい人権の議論がなされており個人的には共感を覚える。

最近民法で定める「女性の再婚禁止期間」に関して違憲判断が出た。 当時なかったDNA鑑定技術が実用化したことがそれを後押ししたのではないだろうか?

そして公布後70年たった憲法自体も見直す時期に来ているのではないかと考えるのが自然である。

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家族、そして子供の将来のために

今後も技術革新や社会風土や慣習の変化が進展していくだろうし、故に立憲時の時代背景とのかい離がますます大きくなっていくことが予想される。 つまりいずれ憲法改正をせざるを得なくなり国民投票に一票を投じることになる。

従って、我々一般市民が日本の将来に向けて、我々の子孫に向けて、どのような選択をすべきなのかを普段から考え、いうべきを言っていくことが健全な国民投票につながることは間違いない。

ということで、この稿では憲法改正論の前に、そもそも憲法ってナニモノなんだ、という話をしてみたい。個人的にはこのような話を素人がするところに意義を感じている。  さあ、あなたも一緒に考え共に発信してみてはいかがだろうか。

国家という概念

「憲法」はナニモノなのかの前に押さえておくべきなのが「国家」いう概念だ。
国家は①領土(領海、領空を含む)、②人、③権力という3つの要素から成り立っている。

人間は社会を築いて生活する生き物なのでそれぞれの人の権利を守るためにはある程度の権力というものが必要だ。 そうでないと治外法権になってしまい皆好き勝手なことをやりかねないからね。 そう思えばこの点はうなずける。

そしてこの国家の存在を基礎づける基本法が「憲法」なのだ。

近代的憲法のほとんどがそうであるように、その目的は「国家権力を制限し国民の権利、利益をまもる」ことだ(立憲的意味の憲法)

日本国憲法の外観

法学館憲法研究所

法学館憲法研究所

日本国憲法は果たして何文字あるのだろうか? 今回参照させていただくのは「法学館憲法研究所」に掲載されている日本国憲法全文だ(まあ、どこから引用しても中身は同じなんだが、笑)。(http://www.jicl.jp/kenpou_all/kenpou.html)

日本国憲法は前文、本文、補足を含めてたったの10035文字、つまり原稿用紙で約25枚だ。 短編小説より、朝刊を読むより簡単に読める。

最も短い条文は65条の12文字で「行政権は、内閣に属する。」
次に短いのが23条の15文字の「学問の自由は、これを保障する。」
こんな短いものばかりではないが条文が長くても短文で構成されているので意外と読みやすい(だから解釈が分かれるんだね)

かの「第9条」は第二章に属し(といってもこの1条しかない)たったの135文字(全体の1.3%)しかない。

憲法の全体構成は以下のようになっている。

前文:643文字
第一章 天皇 (1条~8条):671文字
第二章 戦争の放棄(9条):135文字
第三章 国民の権利及び義務(10条~40条):2673文字
第四章 国会(41条~64条):2007文字
第五章 内閣(65条~75条):1020文字
第六章 司法(76条~82条):1061文字
第七章 財政(83条~91条):598文字
第八章 地方自治(92条~95条):304文字
第九章 改正(96条):176文字
第十章 最高法規(97条~99条):277文字
第十一章 補則(100条~103条):409文字

こうしてみても「人権」に関する第三章の条文数(全31箇条)、文字数(2673文字)ともに最大だ。凝縮された条文の中でこれだけ占めている(全体の約27%)ということからも憲法が我々国民をいかに守ってくれているかが推測できるだろう。

補足説明

第一章は天皇のお立場などが書かれている。

第四章から第六章はいわゆる小学校のころ習った三権分立に相当する国会(立法権)、内閣(行政権)、裁判所(司法権)に関する地位、機関、機能などが規定されている。

第七章の財政には8条あり、「法律を作って税金を集め皆で話し合いうまく使ってね、宗教団体には使わないでね、会計検査院が毎年検査するんだよ」程度のことが書いてある。

第八章の地方自治にいたっては「法律を作ってそれに従いよく話し合ってうまく運営するんだよ」ということが4つの条文で書かれている。

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先ずは全体をつかもう

第九章はかの有名な憲法改正の手続きが書かれた96条のみが存在する。簡単におさらいすると「国会議員の三分の二で発議し、国民が承認したら、天皇が公布する」とある。

第十章の最高法規には「基本的人権を保障する最高法規が憲法なのでそれに反する法令は無効となるかもよ、条約は国内法とみなしてよく守ってね、だけどそれすら違憲審査の対象となるよ」(砂川事件、最大判昭34.12.16)ということが記載されている。

第十一章 補則はおまけでこの憲法の取り扱いや本文に書き忘れたこと程度のことがのっている。

階層構造で表してみよう

日本国憲法は「個人の尊厳」を守るため以下のような階層構造をしている。

|——憲法の最高法規性(98条)   —– 憲法改正(96条)

|——天皇(1-8条)

|——戦争放棄(9条)

|——人権規定(包括的基本権:13条)

|—— 自由権

①精神的自由(19-21条、23条)
②経済的自由(22条、29条)
③人身の自由(18、31、33-39条)

|—– 社会権—(25条~28条)

|—– 参政権—(15条)

|—– 受益権—(16, 17, 32, 40条)

|—–統治規定

|—–国会(41-64条)

|—–内閣(65-75条)

|—–司法(76-82)

|—–地方自治(92-95条)

最もクールな条文は?

皆さんは憲法の中で好きな条文ってありますか? 上述したように人権の包括的基本権は13条にあるということになってますが、私は憲法11条が結構イケテルと思いますよ。

第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

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どの条文が好き?

この条文からもわかるように、ここでいう「人権」とは憲法から与えられたものではなく、全ての国民が生まれながらにして有する当然の権利であり、憲法ではそれを保障しているに過ぎない、というスタンスがにくいですね(①人権の固有性)。

更にその権利は公権力により侵されることがなく(②不可侵性)、
人種や身分などを超えて当然に享有することができる(③普遍性)とされている。

う~ん、素晴らしいね。

 ところで、前文は好きですか?

個人的には前文の冒頭部分が気に入っている。 特に以下の部分である。

「われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」

この中に日本国の三大原理が凝縮されている。

①基本的人権の尊重
②平和主義
③国民主権

この部分は70年という年月を感じさせない普遍性を持つとても美しい文章ではないだろうか?

ただし、前文も憲法の一部なので本文と同じ法的効力を持つが、法律の違憲性の根拠とすることはできない(「法規範性を持つが、裁判規範性は無い」)

憲法は国の最高法規

憲法改正

イギリスのように通常の法律と同等の手続きで憲法改正が可能な国もある(軟性憲法)。

日本は前述したように

①総議員の三分の二以上の賛成で初めて発議し、
②国民審査(国民投票等)で承認されると、
③国民の名のもとに天皇により公布される。

という多くの手続きや信任のもとに改正にこぎつける、つまり簡単には改正はできないようになっている(硬性憲法)

違憲審査権

憲法記念日38963989_s法律が違憲かどうかを判断する権限を「違憲審査権」というが、この制度は各国により異なっているようだ。 フランスでは憲法院、ドイツやイタリアは憲法裁判所で行うらしい。

日本では最高裁判所がそれを兼ねる。 従ってその判例(=最高裁の判決)が以後の裁判の法的規範となっている(判例法) つまり全ての日本の法律(政令、省令、条例などを含む)は「憲法と判例」により裁かれるということらしい。

これだけ判例が多い、つまり最高裁判事という「人が判断した憲法と同等の効力を持つ法令」があふれている現状が果たして健全なのかを是非とも専門家に聞いてみたい。

それはそうと、日本ではこれまで10件の法律が違憲とされてきた。 最も記憶に新しいのが10件目の「女性の再婚禁止期間」。

判旨の概要は「民法における女性の再婚禁止期間(離婚届後180日間)が、100日を超えるのは過剰な制約であり、(途中略)、第14条第1項(法の下の平等)、第24条第2項(両性の本質的平等)に違反する」ということらしい。

子供の父親が特定できないと結果的に子供に不利益が生じる、ということで6か月の禁止期間が設けられたようだが、今はDNA鑑定があるのでそのような心配はないだろう。 これも科学の進歩、社会情勢の変化により法制度を変えざるを得なくなった典型例だ。

ただ、憲法の「両性の本質的平等」を持ち出すなら何故100日なのかという疑問は残る。 運用の安定性に配慮したものなのか? もっと深い意味があるのか? 素人の私にはわからないが、判例では「100日を超えるのが違法だ」と言っているのだから民法第733条1項の

  1. 女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。

これを

「前婚の解消または取り消しの日の翌日から再婚することができる」

と改正するか、いっそのこと女性専用条文である民法733条自体を削除するとどのような問題があるのか? これも専門家に聞いてみたいところだ。

(続く)

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