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TVデビュー元年?
今回の話を進める前に先ずは、熊本県を中心にした今回の大地震で被災された方達にお見舞い申し上げると共に亡くなられた方には謹んでお悔やみを申し上げたい。
次に、不明者の捜索や復旧に向けて日夜ご苦労されている消防署員、自衛隊、警察官、医師等の皆さまやボランティアの方に深くお礼申し上げるとともに今後とも体に気を付けて活躍されることを切に願うものである。
さて、このシリーズの5回目ではドローン空撮が市民権を得たという話をしたい。
少なくともコンシューマ用ドローンのビジネスで中国などに後れをとり、「ドローン元年」も2年遅れの2015年に迎えた日本だが、2016年4月の大地震でその日本に思いがけなくやってきたが「ドローン空撮のTVデビュー元年」とは言えないだろうか。
今回も我々はそのような被災地の悲惨な状況を新聞やTVニュースで知ることになるが、それらの映像にこれほどドローン空撮が使われたことはなかったのではないだろうか?
国土地理院よ、おまえもか
実際に国土地理院のホームページには熊本を中心にした大地震に関して「UAVによる動画」というタイトルでいくつかの映像がUPされている。
お役所でもUAVという単語が注釈なしで使用されていることにちょっと驚きを感じたというのはおいといて、さっそぅそのうちの一枚を見てみよう。
(以前にも紹介したがUAVはUnmanned Aircraft vehicleの略)
ヘリで撮影した画像と比較してみるとその違いは一目瞭然だ。 毎日新聞社が提供している映像を見てみよう。
ドローン空撮の特徴
最近のドローンはDJI社のPhantom等のコンシューマ向けのものでもジンバル機構付き4Kカメラを使用しており安定した臨場感のある美しい画像を撮影することができる。
ヘリ空撮のように望遠を使わずに安定した低空飛行、ホバリングからの撮影ができるというのもメリットがある。
これらの特徴をうまく利用して撮影した映像が多くアップされている。 例えば「芸能News Channel」の映像を見てみよう。
そして国土交通省からの突然の通達が
最初の地震が発生した翌日には以下のような注意喚起のお達しが出ている。
これがその全文だが(但し赤字にしたのは私自身)、この通達、書いていることはもっともなんだが、ちょっと違和感を感じないだろうか。
そもそも今回の改正航空法では災害時の規定(ルール)が明確ではなくドローン空撮者も行動の線引きがしにくいため事故が起きやすい状況が予想された。
それを察知して、あるいは何か起きてしまった時のアリバイ作りのために地震発生直後に注意喚起した、というが一般的な見方かもしれない。
ただ、救援に当たっているのは自衛隊、警察官、消防署員が中心のはずだが、この短い通達の中で「消防機関等」の単語だけ4回も出てくる。
勝手な推測だが
- 地域防災を率いるのは地方公務員である消防職員なのでこれだけ大災害になったとしても消防署が救済活動の司令塔になっているのか?
- 消防署とドローン空撮関係者との間になにかもめごとでもあったのか?
- 省庁からの通達文では地方公務員の奮闘に配慮した?(上級警官(警視正以上)も自衛官も国家公務員)
まあ少し考えすぎだとして、この通達通りだとすると、例えばドローン空撮者が自衛隊員と調整した場合の指揮命令系統や全体の連絡網が徹底している必要があるだろう。
2016年4月21日