人口減少社会は悪なのか?
この数年、「少子高齢化」や「人口減少社会」という言葉をいやという程よく聞くようになった。
例えば国土交通省は以下のような図を出して「このままでは日本の将来は・・・」などとあおっている。
マスコミもこれに乗じて「総人口が8000万人を切ると日本は衰退し滅びゆく国になる」等と言っているのを皆さんも聞いたことがあるのではないだろうか?
どう調べたのか分からないが、通説として日本の人口は奈良に都があった頃は600万人、江戸幕府が成立した時には2倍の1200万人というのはよく聞く話で、確かにこのグラフとも整合性がとれている。
その後江戸中期までの間は増加傾向にあったが、どういうわけか江戸後期、人口3000万人を超えたあたりから明治維新までの150年間はほとんど人口増加は見られなかったらしい。 ある歴史家はその理由を「このころは離縁が多かった」と説明している。 はやり平和な時代には女子力が上がるのだろうか(笑)
ところが明治維新とともに国の政策は「富国強兵」に舵を切り、太平洋戦争までの80年弱の間になんと4000万人も増加し日本の総人口は7000万人を超えた。
その後太平洋戦争で300万人ほどが戦死したが、今度は「戦後復興だ」ということで、なんとたったの65年間で5500万人も増加しているのだ。 この数字は韓国の総人口に匹敵する。
つまり日本の総人口は、明治維新を境にそれ以前の150年間は安定的に推移し、それ以後の150年間で4倍近くに跳ね上がったということだ。
これはどう考えても自然な現象とは思えない。
グラフを見てもわかる通り西暦800年から明治維新までの人口増加の趨勢から外挿すると今の日本の人口は6000万人程度が妥当なのかもしれない。
そしてこれは現在のフランス、イギリス、イタリア等の先進国とほぼ同等の人口だ。
もしこのあたりの人口が自然な増加率に基づいたものだとすると、今の1億3000万人とという人口は明治維新の「富国強兵」から始まる150年間の国策により恣意的に作られた「人口爆発」だった、と考えるのが妥当ではないだろうか?
だとすると今の「人口減少化」は、30億もの間地球環境の変化を乗り越えてきたDNAのヒーリング機能の働きにより自然治癒力のようなものが働いているのかもしれない、という見方があってもおかしくはないだろう。
最近の隣国の海洋進出が目立つようになり、国土交通省が盛んに上図を持ち出すのは「日本の国土を守る為には人口の減少などあってはならない」とでも言いたいのだろうか?
(続く)
2016年9月26日