目次
今どきの国力とは?
前稿で国力を測る指標として国土や総額としてのGDPではなくもっと「豊かさ」とか「幸福度」あるいは「効率よ良い社会」等を導入すべきではないかという提案をした。
しかしこれら指標を客観的に示すのは難しい。 が、もう少しまともな指標を出すことは可能ではないだろうか。
例えば
- 国民一人当たりのの稼ぐ力:一人あたりのGDP
- 効率性:労働生産性
- 科学技術力ド:ノーベル賞の授賞者
- 健康度:健康寿命
- スポーツ感度:オリンピックのメダル数
これらが豊かさを現した指標かどうか? 偏っていないか?等の議論はあるとしても総額としてのGDPで比較するより少しはましになっているだろう。
それをまとめたのが以下の表だ。
この表は人口の多い順に並べているが、人口と各指標間にそれほど大きな相関はない。
例えば、日本は時間当たりの労働生産性で最下位で一人当たりのGDPはブービー賞、 健康寿命だけは第一位で最下位のアメリカと比較すると5歳近く健康に生活できそうだ。
一方、人口が日本の半分程度のイギリスにあってもノーベル賞受賞者数は日本の5倍、オリンピックのメダル数でも日本の1.6倍で世界3位となっている。
以上のことから「人口が少ない国が不幸な国というわけではない」ことはお分かりいただけただろう。
余談だが、これらの数字から客観的に読み取れるのは
「日本は労働生産性が低く給料も安いが、健康で長生きできる国」
ということになるが、果たして皆さんの感覚と比べていかがだろうか?
————各指標の出典元
●一人当たりのGDP
SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ<出典>IMF – World Economic Outlook Databases (2016年4月版) (但し小数点以下四捨五入)
●時間当たりの労働生産性
GLOBAL Note 2015年(http://www.globalnote.jp/post-10473.html)
●ノーベル賞受賞者の多い国ランキング TOP10 (2016年4月12日)
@DIME(http://dime.jp/genre/246525/1/)
●健康寿命ランキング・国別順位
2016年5月19日、世界保健機関(WHO)が発表した世界保健統計
●オリンピックメダル数
時事ドットコムニュース>リオ五輪・パラリンピック>国別メダル数(http://www.jiji.com/jc/rio2016?p=medal)
(続く)
2016年9月30日